先日泊まったお宿・葉隠館があまりにいい宿だったので、五億年ぶりにブログを書きます!
福岡から別府や熊本を巡る旅が計画され、宿を探していた5月某日。
友達がサウナーなのでサウナシュランなる大会(?)で優勝したサウナがあるという「御船山楽園ホテル」に泊まることにした。
御船山楽園ホテルはチームラボとコラボしていて、ホテルの内装がインスタ映え必須のライトで飾られた超・素敵お宿である。
御船山楽園ホテルのインスタグラムより
また庭は文化財に指定されており、景観などもめちゃくちゃ美しいらしい。
1泊のお値段は昼夜ご飯込みでオフシーズンは15000円くらいだった。安くはないが、映え宿で食事もついてると考えるとかなりオトク感がある。
しかし予約したあとに「こんな素敵な宿に泊まる必要ある…?」と急な自問が我々を襲った。
特にチームラボで映えるのとか、そんな人生今まで送ってなくね??となった。
なのでとりあえずまだまだ旅行まで時間があるし、御船山楽園ホテルはキャンセルしてしばらくいい感じの宿を探し続けることにした。
別府などの有名所はもちろん、秘境宿系に憧れがあるので山に至るまでグーグルマップで宿と検索して出てきたところをとにかく見ていった。
そこでセンサーに引っかかったのが「葉隠館」である。
山間の杖立温泉(全然聞いたことない)にあるという葉隠館は、見るからにレトロな雰囲気満載だった。
そしてこれは良さそうだ…と思い、グーグル口コミを確認したときに出てきたのがこの写真である。
https://goo.gl/maps/pzb8USk2P8rgNM666
「男性の方が小便をされる場合はチンコを下向きに押さえて用を足してください」
直接的表現すぎるだろ。
しかも赤文字のチンコ。
めちゃくちゃ面白かったのでソッコー友達に送ってひと笑いのネタにした。
しかしまだこのときはこの葉隠館に泊まることになるとは思っていなかったのであった…
その後もしばらく宿を探し続けるも、正直これだ!!という宿が見つからない。
良すぎる宿は気が引けるし、ただ安いだけの宿は魅力がないし……
そう思うと強烈なインパクトを残した葉隠館って…………
と、にわかにじわじわと葉隠館が我々の中で存在感を増していった。
そこで試しに葉隠館のホームページを見てみたら、これまた最高だった。
葉隠館のホームページより
なんといってもカウンターが設置されている。この時点で良すぎる。更にカラフルな字体。最高。
そしてなんと3組限定で値段が5250円と書かれているではないか!
食事付きでこの値段はとんでもない安さである。一気に心が葉隠館に突き動かされた。
とりあえずものは試しで友達が電話をかけてみることした。
その後のやり取りである。
まさかの11000円だった。
チームラボとコラボしていてサウナシュラン取ってる御船山楽園と4000円しか変わらないの笑う。
しかもネットで予約したらキャンセルされます!と言われたらしい(笑)
予約させる気がない。
やっぱヤベェ宿だ、となり一旦また保留することにした。
しかしそのあと色々調べてもやはり葉隠館を超える魅力を感じる宿は出てこない。
正直、もう我々はすでに葉隠館の虜だった。
いやそもそも5000円だと思ってたからすんごい高く感じてしまったけど、11000円だってご飯付きならふつうに考えて安いじゃないか!!!と自分たちを正当化し、ここは腹を括ることにした。
もう一度確認のために宿に電話して、11000円のプランならじゃらんなどでも予約できるのか一応問い合わせてみる。
「すみません、じゃらんで予約しようと思うのですが、できますか?(できないの知ってるけど)」
「できますよ」
いや、できるんかい!?
「ちなみに8800円のプランって予約できますか?(できないの知ってるけど)」
「できますよ」
いやそれもできるんかい!?どうなっとんねん???
最初に友達が問い合わせたときと違いすぎて笑う。でも無事8800円で予約できたので本当によかった、意味はわからないけど。
宿の人によると8800円と11000円では料理の量が違うそうだ。ちなみに料理は牛肉と馬肉が出るらしく、私は肉が苦手なので素泊まりはやってないか聞いたらそれはやっていないらしい。またホームページには魚などの料理が別に注文できると書いてあったのでそれについて聞いたら「魚はない、牛と馬以外は何もない」とのことだった(笑)ホームページに書いてあることはほとんど嘘である。
夕飯がほぼ食べられないものしか出てこないの割と残念だったけど、それを加味してももう葉隠館以外に泊まることは考えられなかったのでそのまま泊まることにした。
まぁでも電話するたびに言ってる内容が変わってたので、もう一回電話したらもしかしたら魚料理にしてもらえたかもしれない(笑)
ちなみにじゃらんに載っている葉隠館のブログも最高だった。
プリンターを直した話が延々と書いてあった。ふつうこういうところって宿の情報書くところだろ…?公のじゃらんのブログをミクシィみたいに使ってるのまじで推せる。好き。
そんなこんなで2022年6月、念願の葉隠館に泊まることとなった。
杖立温泉は熊本県と大分県の狭間の山間部の杖立川両岸にある、昭和の空気感たっぷりの温泉街だ。
オフシーズンだったこともあり、葉隠館の宿泊客も我々だけだったし、温泉街にもほとんど観光客の姿はなかった。
葉隠館の外観はあとで聞いたところによると数年前にすぐ脇を流れる杖立川が氾濫したらしく、補修が行われていた。
入り口からして、いい。
内装も、いい。ピエロ…。
我々が泊まったのは2階の九重という部屋である。
部屋にはキラキラのバラの絵のパズルが謎に飾られている。旅館の壁にパズルが飾られているのは初めて見た(笑)
窓際には激渋のドレッサー(って言い方で合ってる?)が置いてあった。
机の上には文字がにじみまくって読ませる気のない冊子が。
そして急にフレンドリーにコーヒーを勧めてくる。
廊下には洗面台が並び、これまた渋い&ポップでかわいい~~
部屋には風呂・トイレはなく、共同トイレだ。しかも黄金トイレ。大名になったような気持ちになれる。
そして、その共同トイレに………
あった!!!!
我々をここへ導いてくれた張り紙である。
今も貼ってあるか不安で、ついてすぐに探しに行ったがまだ貼ってあって本当に良かった。生で見てテンションがぶち上がってしまった。
3階は窓がなく、昼でもめちゃくちゃ暗い。雰囲気が良すぎる。
ボロボロの提灯がぶらさがったこの謎の部屋は郷土資料室……ではなく、食事処だった。渋い、渋すぎる。
その食事処の障子にはなんとも言えない浮世絵が描かれており、葉隠館の独自のセンスを存分に発揮している。
ほかにも甲冑や昭和天皇の写真、日本人形などこの部屋には激渋アイテムが詰め込まれていた。
食事は先述の通り馬刺しと牛肉のステーキがメインで、他にも色々なおかずが出てくる。全部おいしかったが、特に茶碗蒸しがおいしかった…。
私はメインの肉は食べなかったのに、あまりにたくさんのおかずが出てくるのでふつうにめちゃくちゃお腹いっぱいになった。途中で本当にこれ8800円なのか…?と不安になるくらい食べ物が出てきた。というか当たり前に11000円払うつもりになってきた。コスパが良すぎる。11000円のプランだったら腹がぶち破れていた可能性すらある。8800円で良かった…。
腹が限界まで満たされたあとは夜の杖立温泉を散策した。
観光地観光地してない温泉地の空気感は非常に良く、見るものは特にないがただうろうろするだけでも楽しい。
絵馬的なものが大量にぶらさがる橋。たぶん恋愛成就系の映えスポットだが、人がいないせいでおどろおどろしい。
なんかの工房の看板はなぜか革マル派風だった。穏やかじゃない。
温泉地なので、誰でも入れる足湯と顔ハメが設置されている。ただし足湯は夜になると加水が切られるらしく、足が焼け落ちかけたので注意。
あと顔ハメするときの姿勢の難易度が非常に高いのでこれも注意。身体の柔軟性が問われる。
散策のあとは葉隠館に戻り、風呂。
これまた、中央に鎮座する女神の像がめちゃくちゃいい………!!
浴槽の奥には蒸し湯というものもあり、この小さい扉から中に入るとアッチアチの空間で蒸されることができる。中は天井が低く立つことはできないので、洞窟感もあって楽しい。
しかしこの蒸し湯、最初扉を開けたときは「これ、我々を蒸し殺そうとしてる…?^^^」と思うほどのふつうに命を落とすレベルの熱さだった。
だがサウナーの友人が「水をまず撒け!」「口にタオルを巻いて入れ!」「床には直接座るな!」と軍師ばりの指導力を発揮し、無事熱死することなくこのサウナを堪能することができた。全裸で蒸し湯の中央に鎮座しながらサウナ初心者の我々に指示していた友人の姿はかっこよすぎて忘れられない。
水をぶち撒いたあとはギリギリつらくないくらいの絶妙な温度となり、かなりやみつきになる最高の天然サウナだったので本当におすすめ。ただ扉はかなり小さいので体が大きめの人は注意が必要。挟まって尻だけを一生蒸し続けることになる。
この夜は部屋で川の音を聞きながら爆睡した。信じられないくらい爆睡した。前日に大分のラブホで本来カップルが泊まるはずのベッドに女三人で寝て布団の取り合いして疲れたせいもあるかもしれないが、温泉もとても良くてグッスリ寝ることができた。
朝。おいしい朝食を食べてチェックアウトしたあとは、ふたたび杖立温泉を散策する。
別府などにもあるが、このあたりには蒸し場という温泉の熱で食材を自由に蒸すことのできる場所がある。そこで卵を販売しているので、それを蒸せばできたての蒸し卵を食べることができるぞ。(蒸すことに必死だったので写真はありません)
葉隠館はもちろん、杖立温泉全体がとにかく風情があって良すぎる。本当に来てよかった………。
ナチュラルボーントンチキ宿を予想して行ったが、女将さんも本当に気さくでいい人だった。張り紙やホームページなどに感じるほのかな狂気があの女将さんから発されているのかと思うとおもろい。
ちなみに女将さんは現在中国のイケメン俳優にハマってるらしく、「韓国より圧倒的に中国!」と熱弁された。奇しくも私も中国のアイドルにハマっていたので「陳情令見ましたか?いいですよ!」とオススメしたが「知らない」と言われて終わった(笑)
本っっ当~~に素晴らしい宿だったので、長く続いてほしいと願ってこのブログをしたためました。そしていい機会だと思ってブログを引っ越しし、リスタートしました。
6年も放置してたブログを再開させる力を持った葉隠館すごすぎる。人生で泊まった宿で間違いなく心に残る宿ナンバーワン!!!
葉隠館よ、永遠なれ…!!
(2022年6月)
〒869-2503 熊本県阿蘇郡小国町下城3336
公式HP
(現在は本当に11000円のプランしかないかもしれません。それでも絶対に泊まって損のない宿です!!!)
コメント
五億年ぶりに魂を鷲掴みにされたブログに出会いました!
最高過ぎる記事ありがとうございます!
テンポ良いストーリーで笑いながら読ませていただきました★
東京在住なので熊本にはまったく縁がありませんが、この記事を読んで葉隠館に行ってみたくたりました。
他の記事も色々読ませていただきます((´∀`*))
ありがとうございます!葉隠館は本当に素晴らしいので、九州旅行の機会があれば是非!
昔の記事は内容がカッスカスのものも多いので…(^_^;)また頑張って更新します!