軍艦島……それは今や押しも押されもせぬ大人気世界遺産。
わたくしもずっと憧れていた場所でしたが、2014年に訪れた際はあまりの見所のなさに萎え、ブログに「ひょっこりひょうたん島~がっかり軍艦島~♪」なんつー無礼なタイトルでレポートを掲載した過去があります。
そんな軍艦島と同じ長崎県には、「第二の軍艦島」と呼ばれるもうひとつの炭鉱島が存在します。
軍艦島に萎えてからず~っと行きたかったその第二の軍艦島こと「池島」に、やっっっと今回行くことができたのでレポートしまっせ!
池島にはツアーでしか行けないので、まずはこちらのサイトから申し込み。
ツアーは午前ツアー、午後ツアー、または午前+オプションの島内見学が付いたツアー、の3種類がある。今回は午前ツアーに参加することにした。
午前中のツアーもしくはオプション付きツアーを申し込むと、炭鉱弁当を付けるか付けないかという究極の選択を迫られる(笑)
炭鉱弁当というネーミングにはかなり惹かれるものがあるが、別に実際に炭鉱夫たちが食べていた弁当というわけではないらしい。またアルミの弁当箱は食後回収されてしまうらしく、それならいっかぁ…と今回は弁当なしを選択した。
炭鉱弁当を付けるか付けないかでお悩みの方にアドバイスをすると、午前ツアーだけに参加する場合は付けなくていいと思う。昼食の時間が取られていると言っても2、30分程度だったし、朝食をきちんと食べていれば正直そんな空腹に苦しむこともない(笑)
てなわけで当日。神浦港から10:30に出発するフェリーで池島に渡る。フェリーは予約とかいらないのでただ行けばOK。
で、問題がこのフェリーですよ……今回の旅行の仲間は全員陸の孤島・群馬県の民。つまり生まれてこの方ほとんど海に出たことがなく、死ぬほど船が苦手な人々。
そしてわたしは今まで何度か乗った船で100%船酔いしておりその地獄を知っているので、今回こそは絶対に船酔いしたくなかった……そこで友人に勧められた酔い止め薬「アネロンニスキャップ」を服用。
そしてこれがめちゃくちゃすごかった。フェリーは案の定「絶対に酔う!!」と思う揺れで乗船中はかなり最悪な気持ちだったんだけど、降りてみると不思議と船酔いしていない…。ありがたい。
島に着くと係の方が迎えてくれて、そのまま島について学ぶ映像を視聴する…のだが、ここで問題が発生。プロジェクターを映すために部屋を暗くしたら…なんか、めちゃくちゃ眠い……でも寝たくない……という気持ちで必死に目をこじ開けるも、気づいたら我々だけすんごい船こいでた……。あとで知ったのだが、これさっき飲んだアネロンニスキャップの副作用らしい。なので映像の記憶が全くない。つらい。あとすんごい喉渇くんだけど、これも副作用らしいのでアネロン服用予定の方はたくさん飲み物を持って行きましょう。島で喉が渇き死ぬぞ。
そのあとは例の昼食タイムを挟み、ヘルメットとライトを装着させて貰っていざ炭坑へと向かう。案内してくれるのは元々炭坑で働いていた作業員の方だ。実際に働いていた方の生の声を解説として聴けるというのがこの池島炭坑最大の魅力と言えるだろう。
ほんの数十メートル歩くとそこには炭坑の入り口が。
ここ池島は軍艦島とは異なり、閉山したあともインドネシアなどのアジアの炭坑マンたちが研修に訪れたりと日本の採鉱技術を伝える場として機能しているらしい。そのため島には人がまだ住み続けており、ある意味現役の炭坑としてしっかり生き続けている。第二の軍艦島と呼ばれながらも廃墟化していないという点も魅力の一つだ。
トロッコに乗り、中へと進んでいく。思っていたより速く、アトラクション感あってめちゃくちゃ楽しい!
坑道内は様々なケーブルや素人にはわからないパイプのようなものが張り巡らされ、産業遺産好きにはたまらない光景が広がっている。
池島は1959年から2001年まで石炭の採掘が行われていた炭坑である。
まだ閉山してから20年程度ということで、中では実際に働いていた作業員の方が当時の話を色々と聞かせてくれた。その中で個人的に一番衝撃だったのが「出勤について」だった。
当然炭坑はどんどん地下に掘り進めていくものなので、最終的な現場は入り口から一時間半もかかる場所だったという。つまり往復三時間の移動。しかもその移動は「マンベルト」というベルトコンベアーに座って行ったらしい。毎日マンベルトに座って一時間半、特に何もない坑道の中を進む…って考えただけでもヤバ、と思ってしまった。
ついつい炭坑の見学をする際は発破など派手な作業のことを気にしてしまうけど、そういう地味なところの話を聞けるのって現場に出ていた方の説明ならではだよなあ。
昔は坑道の中の酸素がなくなって有毒ガスが発生していることに気づけるようにカナリアを連れていったんですよ~などという話(酸素が薄く有毒ガスが発生しているとカナリアが衰弱するので)を聞きながら、先に進んでいく。
中にはそんな緊急事態のときに酸素を供給するエアーマント(救急バルブ)なるものも設置されている。
酸素がなくなってしまうような緊急時に、袋に入りパイプを通じて酸素を供給してもらう装置らしい。こんなほのぼのした顔をしている場合ではない状況だと思うが…(笑)少しやってみたくなってしまった。
そして炭鉱内では実際に石炭を掘り出すドラムカッターが動くところを見られたり、
ドリルの体験をさせてもらえたりするよ!
やってみたんだけど、下手すぎて1人だけやり直しくらいました。泣いた。
こんな感じで坑道内はいろいろな話を聞けて体験できて盛りだくさん!やはり実際に現場にいた方の話は興味深いことが多く、質問にも答えてもらえるので本当に楽しかった。
軍艦島と池島、どっちに行こうかな…と迷っている方がいたら個人的には圧倒的に池島をおすすめしたい所存です。当時働いていた方のお話が聞けるうちに是非訪れてみて欲しい!
ちなみに、ぬる~~いブイアートも見られてB級スポット好きにもおすすめだよ!
(2022年6月)
コメント
父が炭鉱マンで閉山まで池島に住んでました
あの海はだいたいいつも波が高いので、慣れない人には30分の船旅でも苦行でしょうね笑お疲れ様でした
坑内は自分も入ったことがないので羨ましい
閉山後は遠方に移ったので現在まで帰ったことはないですが、機会があればぜひ訪ねてみたいですね
懐かしい気持ちになりました
コメントありがとうございます!
実際に池島に住まれていた方に読んでいただき嬉しい限りです。地元の方はあの波でも平気なんですね…すごすぎる……。
池島もいつまで入れるか分からないので現役のうちに是非!
初めまして。とても楽しく読ませていただきました。
ぜひ行ってみたいと思ったのですがツアーに参加する必要があるんですね…
私は足が悪いので他の皆さんの足手まといとなるのが不安です。自分のペースでゆっくり回れたら良いのになあ。
高低差が少なければまだ何とか…と思うのですが歩く場所の状態はどんな感じでしょう?
コメントありがとうございます!
私が参加した際も他に参加していたのは1組だけでしたし、繁忙期でなければそんなにたくさんの人と一緒になることはないのかも?と思います!炭鉱なので足元が歩きやすいかと言うと微妙かも…ですが、高低差はそんなになかったと思いますよ!一度電話などで確認してみるといいかも知れません。