今日の記事は珍スポットではなく、隣国韓国で見つけた奇妙な日本語の数々についてお送りしたい。
私が韓国を訪れたのは三年ほど前であるが、丁度そのときは韓流ブームの興隆期で日本人観光客が街に溢れ返っていた。
しかしながら韓国側の日本人観光客に対する準備は万全であったとは言い難く、街を歩けば目を疑うような日本語のオンパレードだったのである。
そんな日本語ならざる日本語に触れる楽しさを皆様にも味わっていただきたい。
まずは手始めに
「お辛 均一が」。
「お辛 均一が」、いったい何だというのか???
決して肝心なところは教えてくれないという焦らしプレイである。
そもそも辛いの大好き国家・韓国において「お辛」とは何を指すのだろうか。
「お辛」というなんだか熟女風の柔らかい響きに、ジワジワ笑いが込み上げる佳作である。
続いて
(にたばらに)+そそチゲ
一瞬「たらばがに」かと思いきや、全く未知の物体「にたばらに」であった。
そしてそこにプラスされる「そそチゲ」。
チゲはまあ解るとして、そそとは???
にたらばにとそそチゲのコンビネーションになぜか「エイリアンVSプレデター」のような地球外生物的要素を感じてしまうのは私だけであろうか。
続いて
「にちゃにちゃとする麺」
日本に於いてもあまり使用例を見ない「にちゃにちゃ」という擬態語を駆使し、その質感をリアルに伝えてくる日本語力の高さである。
日本人的感覚では決して食欲をそそられないのだが、きっと韓国では「にちゃにちゃとする麺」は美味しいものなのであろう。
続いて
煮た豚肉とサム
ここへ来てのカニバリズム。
おそらくアメリカ人であろうサムも、韓国においては食材としか捉えられていないのである。
そして上の韓国語たった二文字に「煮た豚肉とサム」という要素が詰め込まれているということに衝撃を受けずにはいられない。
更に
アキノリ鍋
日本人としてはサムよりはアキノリの方がまだ食べられるかなあ。
こんな気持ちにさせるまさにこれがコリアマジック。
更にその下には
石首魚焼
サム、アキノリと来ての石首という響きには最早恐怖しか感じない。
普通の焼き魚が出てくるはずなどなかろうと勘ぐるのが人間というものだ。
しかしながらここで登場するのが
「豚肉と 野菜を混ぜて 味をつけ」
まさかの川柳である。
風流。
実に風流だ。
アメリカ人や日本人を食っておきながら五・七・五を詠う趣味人な一面も見せる奥深さである。
韓国め、予想以上に・・・できる・・・!!
しかし少し気を抜くと、
「チキン人」
なるものを食し出すから再び注意せねばならない。
最後にご紹介したいのがこちらのメニューである。
ぱっと見ただけでカオス状態が広がっているのが何となくお判りになるだろう。
我々が日本人と判るとイケメン店員がにこやか且つ自慢げにこの日本語メニューを持ってきてくれたのだが、残念ながら読解できそうにはなかった。
特に、
「広間とは?」
「韓国では昔からグイハソソソニムが尋木゛で来ればサランチングエを渡した部屋」
のくだりには最早清々しさを感じる。
我々の知らぬ広間が韓国にはあるらしい。
この文章には「木」に「゛」をつけることで、これは「き」ではなく「ぎ」なのである、と主張する新たな日本語の手法が伺える。
わたしも『「ふかざわ」なのか「ふかさわ」なのか』とよく問われることがあるので、これからは「深沢゛」という表記をすればそういった混乱を回避することができそうだ。
別の混乱が生まれることは不可避であるが。
皆様も韓国をご訪問の際にはお気に入りの日本語を探していただきたい。
(訪問日:2009年11月)
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