瀬戸内海の大島にある謎の「できかけ教室」。全く何の施設か判らなかったので、とりあえず行ってみました。
視力検査表や古瓶が目を引くこの旧校舎風の建物が「できかけ教室」である。
果たして入って良い場所なのかもよく判らなかったのだが、軒下に子どもがいたので「ここって入ってもいいの?」と訊いたら、「今は先生がいないので中には入れない」とのこと。聞けばここは塾なのだという。確かに入り口の横には算数国語などと書かれた時間割があった。
なんだ塾か~じゃあいずれにせよ期待してた感じとは違うのね~と諦め、車に戻ってカーナビをいじっていると、突然窓を叩かれた。
振り返ると、その「先生」と思しき人物が。
「あ、スイマセン~何なのかなって思って来ちゃっt
「あんた達いいときに来たな!」
とすごい勢いで言われた。
おう・・・これはちょっとオモシロイ先生に違いないぞ!
えっそうなんですか?っていうか何が?^^^と困惑しつつ「こっちに来い!」と誘導されるがまま車から降りて付いていくと、校舎横の檻へと案内された。
先生が檻の中へ入っていったので何かと思って待っていたら、「今日の朝生まれたんだ」と言ってヤギの子どもを見せてくれたのでした。
可愛い~~~~~
この状況は全く以て意味不明だけどとりあえずヤギは可愛い~~~~
ひとしきりヤギと遊んだ後、「中も見ていくか?」と言われたので言われるがまま塾の中へ。怒濤の勢いである。
中へ入ると既に子ども達が集まっていて、勉強を始めていた。邪魔してすまないね~。
中は独特の空間で、目が覚めるような気分になった。三島由紀夫が自殺したときの新聞切り抜きや古びた日本国旗や「倹約三昧」と書かれた新聞紙が目に飛び込んでくる。すごいぞ。
ここの先生・吉井游児さんはモダンアーティストで、なんでもこの塾自体も自分で建て、建物まるごとアートにしているそうだ。(ちなみに、怒濤の勢い過ぎてお名前すら聞き忘れたので帰宅後ネットで調べました笑)
勉強している子どもたち含め、全てアートの一部らしい。
モダンアートとかわたしは全く無知なんだけど、なんかクールなことだけは判る。
一番目を引かれたのがこの作品。
家の火事で焼けたオルガンを引っ張ってきて、自宅の塀に打ち付けられていたキリスト教の看板をひっぺがして貼り付けたらしい。なんだこのかっこよさ!
あとわたしが「ハッ!?」となったのがこの一輪車。
この車輪のところに描かれた三本足・・・
こ、これはイタリアはシチリア島のわたしの大好きなキャラクター・トリナクリアではないか!!!!
と興奮し、「これってイタリアの・・・!?」と訊いたらポカンとされてしまった。
なんと、このデザインはご自分で考えたそうだ。これ自分で思いつくって・・・そ、そなた、天才か・・・!?
そしてこの一輪車は以前「松葉杖をつきながら一輪車を漕ぐ」っていうパフォーマンスをやったときに使ったものであるらしい。
そんな奇抜なパフォーマンス一体どこで披露したんだよ・・・という疑問はさておき、先生曰く「一輪車はとても自由だけど安全じゃない。一方、松葉杖は全く自由じゃないけどとても安全だ。その二つを融合させてみたかった」とのこと。
先生のアートは全てこういった哲学めいたものが背景にあり、話を聞いているとすごく面白かった。現代アートに触れたのは初めてだったんだけど、面白いもんなんだなあ~。
わたし好みの、何かがどうかしているカンジの絵。
挨拶もそこそこに色々見せていただいてしまったけど、今まで体験したことないような世界が味わえて楽しかった!先生、ありがとうございました^O^
(2014年3月)
[できかけ教室]
珍度:70%
オススメ度:70%
住所:愛媛県今治市吉海町名1182-5 山ノ鼻バス停前
Tel:090-8286-0468
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