当ブログに一度いらしたことがある方なら観たことがあるはずの、
トップ画にいるファニーな表情がなんか可愛いこいつ
一体何ぞ????と疑問に思ったことはございませんか??
これは3年前に伊勢で撮影したものなんだけど、実はもっと前からわたしはこいつの存在を知っておりました。
なんてったって、こいつはすごい有名人なのです・・・。
その名も、ジェニー・ハニヴァー。
名前からも察しが付く通り出身はおヨーロッパ、16世紀には既に本に載っちゃうほどの有名人!
このオシャレな名前の由来はフランス語の「jeune d’anvers」で、「アントワープの若い人」って意味らしい。(フランス語を発音してくれるサイトで試しに入力して聴いてみたところ、「ジェーン・ダンフィー」って感じだった。)
それが英語なまりになって「ジェニーハニヴァー(Jenny Haniver)」という素敵な名前になったんだって。
初めてジェニーちゃんが文献に登場するのは1553年。
ピエールブロンというフランスの博物学者が描いた「De Aquatilibus」という生物図鑑に登場したのが最初らしい。
そのお姿がコレ。
・・・すいません、どなたです・・・???
この本は海の生物について描かれた本で、この元祖ジェニーちゃんは「ノルウェー(もしくはスウェーデン)で捕まえられた海の怪物。持ち主によると3日間生きていた」とのこと。
ここではジェニーちゃんという名前ではなく、「海の修道士(Sea Monk)」と呼ばれていました。
今で言うところのUMA。未確認怪奇生物ですな。
名前の通り、修道服&日本でもザビエルでお馴染みの髪型、魚っぽい手足とおっさんの顔というまさに海の修道士。
でも全然可愛くねえ・・・。
リアルジェニーちゃんとピエールさんが描いた海の修道士もといおっさんがどうしても同じ人には見えないんだけど、これがジェニーちゃんのグラビア初登場らしい。
ちなみに『Mysterious Creatures』によるとこの海のおっさんの体長は8フィート。つまり約2メートル40センチ。
でかい。でかすぎる。
決して布教されたくないです。
では本ではなく実際の歴史におけるジェニーちゃんはどんな人(というかUMA)だったのか??
はじめにジェニーちゃんの名前の由来が「アントワープの若い人」だったと書きましたが、それは15世紀半ばにベルギーの港湾都市・アントワープでジェニーちゃんがたくさん獲れたからなのです。
当時既にアントワープは超栄えている港町でした。
そこで船乗りたちは観光客など相手の商売として、ジェニーちゃんを捕まえてミイラにしお土産として販売していたのです!!!ウワアアアアジェニーちゃん逃げてええええ
ジェニーちゃんのミイラは魔除けアイテム的な感じで大人気になり、世界各地で売られるようになりました。
現在でもなお港街ではお土産として売られているところがあるとか。
そういう噂は耳にしていたので、「いつか見てみたい!」とずっと思っていたのでありました。
ここでいくつか有名なジェニーちゃんの写真をご紹介。
一般的なジェニーちゃん
超可愛いジェニーちゃん
ジェニーちゃんも個性豊かですね。
しかし、ジェニーちゃんって日本にもいるものなのか?
ヨーロッパ生まれヨーロッパ育ちのジェニーちゃんが極東にまで来るものか??
やはり日本から出ないことにはジェニーちゃんに会えないのでは?
というかそもそもジェニーちゃんってUMAなのになんで大量捕獲されてお土産にされちゃってんの?????
そう、おそらくUMAの中でもトップクラスに雑な扱いを受けているであろうジェニーちゃん。
なぜ同じUMAである人魚や鬼のミイラは珍重されるというのに、ジェニーちゃんはお土産扱いなのか??
ええ、実は何を隠そう、ジェニーちゃんって・・・
UMAでも何でもなく、ただのエイのミイラなんです!!!(エッ?気づいてた??)
皆様ご推察の通り、エイをミイラ化させたものこそがジェニーちゃんでございます。
つまり「ジェニーちゃんのミイラ」というかエイのミイラがジェニーちゃんってことですな。
UMA好きの方は「な~~んだ」と思うかも知れませんが、ミイラ好きとしては是非ともお目にかかりたいUMA(系)ミイラのひとつ。
エイを面白く加工してミイラ化させたものを魔よけとして売るなんて、アントワープの船乗りたちのセンス最高だよ!
さっき貼った写真のようなレベル高いジェニーちゃんはミイラ化したあとニスを塗ってしっかり保存加工がされてるんだって。立派な工芸品ですね。
ちなみにフランスの学者コンラッドゲスナーさんはジェニーちゃんのことを「悪趣味だ!!」と叩きまくったらしいけど、残念ながら彼の意見は全く受け入れられず460年経った現在もジェニーちゃんは世界の人気者ですね。
さてさて、ずっとジェニーちゃんに恋いこがれていたわたくし。
そして2010年夏、伊勢神宮に行った際近くの「おかげ横町」でその時はとうとう訪れたのであった・・・!
おかげ横町を歩いていると、突然友人が「なんか深沢が好きそうなものぶらさがってるよwwww」と笑いながら言ってきたのでそちらを見ると、
イターーーーー!!!!!!!!
ジェニーちゃん!!!!!(に今なろうとしているエイーーーー!!!!)
あまりに突然の僥倖だったので「うっっわあああああジェニーちゃんじゃん!!!」と大興奮すると、まさかそんなに喜ぶとは思っていなかったであろう友人が「何ソレ?誰?wwww」とまあ当然の質問を投げかけてきました。
もちろん私は「エイのミイラだよ!!」と即答。
すると友人がわたしの全く予期していなかった言葉を発したのです。
「えっ、ミイラっていうかエイの干物でしょwwww」
ひも、の・・・・・・だと・・・・・・?????
よく見たらこの店、「干物屋」だと・・・・・・??
おいやめろ!!!!ジェニーちゃんは干物じゃねえ!ミイラだ!!!れっきとしたミイラだ!!
干物呼ばわりはやめろ!!
ヤメローーーーー!!!!ヤメローーー!ヤメローー!(エコー)
そう、ジェニーちゃんは決して干物ではない。
確かに私が会ったのは限りなくグレーゾーンだ。伊勢のあれはエイの干物かもしれない(なんといっても干物屋なのだから・・・)。きっと食べたらおいしいだろう。
わたしはまたどこかの地で紛う事なき本物のジェニーちゃんに会えることを楽しみにしている。
その日まではとりあえず伊勢のあいつをジェニーちゃんだと思って暮らしていこうと決意した。
もし他人に訊かれることがあっても、「あぁ、ジェニーハニヴァー?うん伊勢で会ったよーうんホンモノー」と胸を張って主張することにする。
皆様、もしジェニーちゃんをお見かけしたらわたくしまでご一報願いたい。すぐに駆けつけます。
(訪問日:2010年9月)
[ジェニー・ハニヴァー]
珍度:70%
オススメ度:70%
個人的お気に入り度:90%
第一発見の地:おかげ横町公式サイト(現在もいるかは不明です)
[参考]
『De Aquatilibus』
『Jenny Who? The Search For Jenny Haniver』
『Mysterious Creatures』
(以上を参考にしましたが、英語が苦手なもので何か間違ってたら教えてくらはい^q^)
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