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【群馬】刮目せよ!十年に一度だけ現れる大階段 迦葉山弥勒寺大開帳

待ちに待ったこの日がやってきた!!

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このタイミングでこの記事を公開することはもしかすると読者各位に叱られてしまうかもしれない…が、行って参りました!迦葉山弥勒寺!!

なんと言っても今年は10年に一度の大開帳が行われる記念すべき年だったのです。期間は4月末から5月末までの約一ヶ月。

無論、大開帳は既に終わっておりますので悪しからず^^;
ご存じでなかった方は「今更そんな情報出すなよ!」とお思いかもしれませんが、10年後を楽しみに頑張って生きてください!

さて、何年も前から楽しみで楽しみで仕方なかった大開帳。

10年前のわたしはまだ駆け出しの(?)寺好きだったので、有名どころの神社仏閣ばかりに気をとられ、迦葉山のことは知りませんでした。

なので今回がわたしにとって初めての大開帳なのです。どんな感じなのかわくわくしながらまだ寒い迦葉山へ向かいました。

迦葉山に来ること自体は二回目。
その道中に出現する…天狗!

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そう、ここ迦葉山は天狗のお寺なのだ!!
(この天狗のパネルはふもとのなめこセンターの看板なのでなめこを持っている。以前きたときはもっとボロボロだったが、大開帳に向けて化粧直ししたか?)

何を隠そう、わたしは天狗好き。河童より天狗派。顔もなんとなく天狗っぽいと我ながら自負している。

そもそも、天狗とは何かというと、「天狗」という言葉自体は中国由来のもので「災厄をもたらす流星」を指すものであった。日本においてその意味で使われているのは日本書紀の舒明天皇紀のみで、その後しばらく天狗は日本史上に登場しない。

次に天狗が登場するのは10世紀末の宇津保物語だが、ここでは山中で聞こえる快音が天狗の仕業ではないかと疑うだけで、あのお馴染みの赤ら顔の天狗はまだ出てこない。

その後天狗は平安時代を通して仏敵と認識されるようになり、このあたりから仏教八部衆のひとりであるカルラから影響を受けたと思われる猛禽類の顔を持つ「カラス天狗」が現れ始める。そして仏敵としての天狗は次第に「畜生道に落ちた者」の成れの果ての姿であると考えられるようになり、猛禽類よりはむしろ人間に近い姿へと変貌していく。

ニョキッとした高い鼻を持ついわゆる「大天狗」「鼻高天狗」と呼ばれる天狗が現れるのはその後であり、こちらがスタンダードになるのは室町時代頃ではないかとされている。鼻高天狗の由来は諸説あり、同じく赤くて長い鼻を持つサルタヒコなどではないかと言われているが定かではない。

そして時代が下るにつれて天狗はただの悪者ではなく守護神的な役割をする天狗も現れ、天狗の性格は多様化していく。江戸時代に至ると天狗は神に変化する。高尾山や大雄山、そして今回取り上げる迦葉山での天狗信仰がそれだ。

天狗が明らかにほかの妖怪たちと一線を画しているのは、神としての信仰がことに篤いからだろう。

と、天狗の能書きを垂れつつ山道を登っていくと仁王門が現れる。

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どうでもいいけどこの仁王さん体薄ッ。

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仁王門にはかなり味のあるポップな仁王像が鎮座している。
なんとこの仁王像は目も見えず耳も聞こえない石黒鉄石という彫刻師が彫ったというから驚きだ。すご!

更に山道を登り、メインである拝殿と中峯堂へ。

拝殿は迦葉山の最も象徴的な建物であり、中には天狗、天狗、天狗!!

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天狗づくしだ!

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何度見てもすばらしい、超巨大天狗面である。

右に見えるのはお返し面。
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まず「お借り面」を借りていき、一年神棚に祀った後、翌年参道の茶屋で買った新しいお面と共にお返しするのだという。茶屋と腕を組んだすばらしいビジネスだ。

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はじめの年は小さいお面を借りていき、年々大きくしていくというが、最終的にどこまで大きなものになるのだろう…。

拝殿を見た後、今回初めて足を踏み入れることになる中峯堂へ。

この中峯堂こそが今回のメインイベント・大開帳が行われるお堂であり、拝殿のすぐ後ろに隣接している。

拝観料を払い、中峯堂の中へ入る。
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ドーーーン!
なんだこの不思議な空間は!?!?

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階段があるという情報は仕入れていたのだが、ここまで厳か且つミステリアスな空間だとは思っていなかった。
階段にあしらわれた電飾がいい仕事をしている。

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この階段部分、外から見るとこんな感じになっている。増築を繰り返したような奇妙な建築で面白い。

階段の数は108段。左側から上っていき、上で十年に一度のご開帳をする天狗様を拝観、そして右側の階段を下ってくると言う仕組みである。

階段を上っている間は会話禁止。静かに上っていくと、ご開帳された天狗とその横でただ座っているだけのお仕事に飽きたのか完全に寝ている大僧正がいた。

天狗様自体は小さくて何か特徴があるわけではないのだが、この演出がすごすぎてテンションあがりまくり。何年も待った甲斐が十分にあるイベントである。

完全なる異空間に興奮しつつ下り終わると、記念品をいただく。
ちなみにこの会期中に二度訪問したのだが、一度目は煎餅とメタリック魔除けシール、二度目は落雁とお札で内容が違った。お得感があって嬉しい。

満足したし、せっかくなので今まで一度も上ったことのない裏山の「和尚台」を目指すことにした。
和尚台は僧侶の修行場であり、山を上った更にその上の岩場の鎖場を超えた先にあるという。

しかしながらわたくし、この日はかなりナメくさったファッションで迦葉山を訪れており、明らかに山登りに適していないヒールブーツで上を目指すことに…。そもそも、珍スポ好きの滝マニアのくせに基本的にナメたファッションで訪れるのは毎度反省するところである。サンダルでの縦穴登り、素脚での岩場洞窟、ロングコートでの氷瀑攻めなど、思い出せばいくらでもある…今年はスニーカー買いますわ。

そしてそんなナメた靴が完全に災いし、片道だけで一時間ほどかかってやっと和尚台のふもとへ。既に足パンパン。

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ふもとには懸け造りのぼろぼろのお堂がある。この中に入るのは結構勇気いるレベルでぼろぼろ。

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和尚台はこの岩の上にあるという。

中央に見える鎖を使って、岩の間を上っていくのだ。
どう考えても無理だろ(笑)


山生まれ山育ちの知人が先陣を切って挑んだが、あえなく途中で引き返してきた。
私にいたっては、最初の鎖場の岩が超えられない始末。だめだ、スニーカー買お。

結局何も達成することはできず、すごすごと引き返してきたのであった。

そしてその日の夜から太ももは使い物にならないほどの筋肉痛…お天狗様への道はまだ遠いってことだなあ。10年後は上れるように鍛えます。

[迦葉山弥勒寺]
珍度:100%
オススメ度:100%
公式HP
次の大開帳は2025年!迦葉山で会おう!

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