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【新潟】癒やし系の清楚即身仏 全海上人

7月8日といえば、年に一度のあの日ですよ!
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そう、7月8日といえば年に一度の全海上人即身仏ご開帳デーでございます!!

そして、年に一度のわたくし深沢の誕生日なのであります!!

年に一度のご開帳が誕生日と同じなんてありがたい!!

記憶の限り「友人たちとのバースデーパーテー☆」的なものを開催したこともないTHE非リア充のわたくしですが、今年の誕生日は盛り上がってやるぜ!!と新潟へ乗り込みました。

全海上人がおわすのは新潟県阿賀町。
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新潟は即身仏のメッカである山形に次いで多くの即身仏が現存しているところ。
この全海上人もまた、多くの即身仏を生み出した湯殿山での修行を積んだのち、即身仏となったという。

お寺で貰ったパンフレットによると、もともと地元の阿賀野川の水運を用いて筏乗りをしていたという全海上人。

筏乗りとは切り出した材木で作った筏に乗って川を下り、その材木を運搬するという仕事である。当然体力が必要とされる仕事であり、全海上人は身長175センチの立派な体格に強い力を持った男であったと伝わっているそうだ。

そんな全海上人は、20代半ばの頃に両親・妻子が相次いで亡くなったことをきっかけに湯殿山の大日坊で出家する。

そして湯殿山で十八年にもわたる修行を積んだ後に故郷へ戻り、阿賀野川の難所と言われていた岩場を取り除く工事に取りかかった。難所で命を落とす筏乗りが多いことに心を痛めていた上人は、85歳で亡くなるまでこの改修工事を続けたそうだ。

全海上人が即身仏となる為の木食行を始めたのは死の三年ほど前から。五穀断ちに加え、更に昼夜を問わず常に端座、つまり正座の姿勢を崩さなかったという。

弟子に「わしはもうすぐ死ぬ。わしが死んでも埋葬してはならぬ。この端座の姿勢のまま即身仏として奉るように」と言い残し、全海上人は大往生を遂げた。

お寺の解説を読む限り、どうやら全海上人は地上入定だったようだ。
即身仏というと土中に穴を掘って入定する土中入定のイメージが強いと思うが、地上入定も決して少なくはない。むしろ古くはそちらのほうが多かったとも考えられている。

入定から三年後、代官所からの許可を得て、晴れて即身仏として祀られることになった全海上人。

現在は冒頭にも記したように7月8日の御開帳法要のときだけ拝観することができる。
なんでも、お寺の住職が普段はほかの寺にいるそうで、普段全海上人はひとりぼっち。少しかわいそうなロンリー上人…。

上人が祀られている菱形全海堂の中はこんな感じ。
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かなり小さいお堂だが、色彩が綺麗だ。

古くから信仰されているようで、古い絵馬や写真がたくさん奉納されている。

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なんだか西洋風な絵も。
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どうでもいいけど、ウドンコって何だろうと一瞬思ってしまったよね…(本当にどうでもいい)
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お堂の奥のガラスケースの中に上人様は祀られている。
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奥の方でガラスケースに鎮座していることもあり、実際はかなり小さく見える。筋骨隆々の大男だったとは決して思えない姿だ。

即身仏及びミイラはたいてい写真撮影禁止が鉄則である。しかしお堂の中の写真撮影をしてもいいか伺った際、「上人様も真正面からじゃなければいいですよ」とまさかの許可が出て吃驚仰天。

まさか撮影できると思っておらず僥倖だったが、今まで即身仏を撮影したことがないので恐れ多くてカメラを向けるのが躊躇われた結果なんだかイマイチ分かりにくい写真しか撮れていない、、、

とにもかくにも、こちらが全海上人の御尊顔である!

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顔が見えづらいのでイラストにしてみました。
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実際ガラスケースの反射が激しくてかなり見づらかったんだけど、こんな感じのお顔だったと思います。

全海上人のファッションは白の行者スタイル。
即身仏というと比較的派手な衣を纏い、観音帽子などの被り物をしているイメージが強いと思うが、全海上人は質素な感じ。

でも頭巾が可愛いし清楚な感じで、これはこれでわたしは結構好き!

即身仏は一般的にミイラと言われるけれど、実際のところはほとんど白骨化していることが多い。
しかしながら全海上人は目元の皮膚が結構残っており、目を閉じたような表情を浮かべている。名だたる即身仏と比べても、かなり癒し系の顔つき!即身仏界の安めぐみだ。

更に笑っているようにパカッと口を開いており、とにかく表情が可愛らしい。即身仏初心者の人でも親しみやすい即身仏なのではなかうか?

清楚&癒やしという日本人男性の大好きな要素を兼ね備えた全海上人、他にはない魅力ですね!

拝観のあと御祈祷に参加したが、結構な数の村人・信者の皆さんが集まっていて、愛されているんだなあと思わされた。観光としてそんなに売り出していないからか、地域密着型の即身仏なんじゃないかな。

年に一度のお祭りを堪能して、菱形全海堂をあとにした。実に充実した誕生日であった!!ありがとう上人様!おめでとう自分!

[全海上人即身仏(菱形全海堂)]

珍度:70%
おすすめ度:90%
住所:新潟県東蒲原郡阿賀町豊実甲1779
電話:0254-52-2228(菱形全海堂ではなく、普段お寺の方がいらっしゃる長楽寺の連絡先)
拝観可能日時:毎年7月8日(7:00-15:00)

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