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【静岡】男根神輿、電撃復活…! 天下の奇祭・どんつく祭

「どんつく祭」とは、かつて東のかなまら祭り・西の豊年祭に継ぐ第三の勢力を誇った巨大男根祭りであった…!

2018年どんつく祭

高度経済成長期の昭和41年(1966年)に開始され、荒々しく野性的な男根神輿の迫力が見る者の心を揺さぶってきたどんつく祭。知名度・規模ともに大きかったのだが、2018年に惜しまれつつ一旦終了してしまった伝説の男根祭りである。

しかしなんと今年2023年9月!この天下の奇祭・どんつく祭がまさかの電撃復活するってよ!!!!

ということで、以前訪れたどんつく祭のレポートをお届けします!これを読んで万全の体制でどんつくに挑みましょう。

2015年に作られた巨大モニュメント

どんつく祭は毎年6月上旬に静岡県伊豆半島・稲取温泉街で開催されてきたものの、先ほど言ったように2018年の第53回で一度終わってしまった。
元々温泉街の観光客誘致のために始まった祭りだったので、時代の流れの中で次第に集客が難しくなったこと、そして男根に使ってるお金をもっと有効活用したほうがええやろ、というのが終了の理由だった(泣)

その最後の勇姿を見届けるべく、2018年6月、私は稲取へ向かった。どんつく祭には2016年から参加していたのでこれで3回目である。


まずは温泉街から少し離れた高台にあるどんつく神社へと向かった。どんつく神社は祭りが始まった翌年に建てられたもので、祭りで担ぐご神体の巨大な男根は普段ここに安置されている。

ちなみにどんつく祭は2000年前から伝わる祭り、と触れ込まれているが当然大嘘である(笑)
どんつくは高度経済成長期に観光の目玉として作られた祭りで、博多のどんたくをもじりつつ「ドン、と突くからどんつく」という単純明快なネーミングで名付けられた。
当時の温泉組合のメンバーはバスツアーで田縣神社の豊年祭にも視察に行き、男根神輿の視察も行ったというからめちゃくちゃ本気で祭り作りに取り組んでいたんだなあ~


午後4時。神社での祈祷が終わった後、男根をトラックに載せて温泉街へと下りていく。昔は担いで下ったそうだが、高齢化と人手不足で今はトラック頼みだ。

温泉街に運ばれた男根は祭りの本番が始まるまでしばし祭り会場の片隅に据え置かれる。
隣にある小さな男根御輿は、以前は女性が担いでいたもの。

特に祭りの全盛期は温泉街の芸者衆がこれを担ぐお色気タイムがめっちゃ人気だったらしい。芸者がいなくなったあとはコンパニオンが、コンパニオンもいなくなったあとは地元の女性が担いでいたけど、ご時世的にもうお色気とかNGなのか最後の年の小さな御輿は寂しげに隅に置かれたままだった…。2023年には小さい神輿も活躍できると良いねえ


夕方になると温泉街に人が増え出してきた。
集客が難しくなったと言ってもどんつく祭りはかなり大きな祭りで、小さな温泉街に3000人ほどの観光客や地元の中高生がひしめき合っていた。この地域の若者にとっては男根神輿が普通の光景なんだからすごいよな。

どんつく飴などの限定商品もゲットしつつ…

午後7時頃、いよいよ祭りの本番だ~~~!!

男根御輿の側には、いつの間にやら現れたふたりの天狗。不気味に佇み、手には男根の棒を持っている。

そしてこの棒で突いてもらうと御利益があるということで、子供をわざわざ天狗の前に出すお母さん。男根で突かれて泣く子供。異常な光景すぎて子供には悪いけどめっちゃ笑える(笑)そりゃ、天狗にいきなり男根で突かれたらいやだわ

ちなみにこの天狗は「おめん」という名前で、元々昔から行われている7月の夏祭りに出没するものだ。そして実はこのおめんが持っている男根の存在こそがどんつく祭誕生のきっかけになったんですよ!!
夏祭りでは普通の神輿とこのおめんが登場して、おめんは厄除けとして女子供を男根で突いて回るのが伝統行事となっている。そして昭和41年に「観光の目玉になる祭り作りたいな~」→「あ、おめんの男根を神輿にしちゃおうぜ!!」て感じでできあがったのがどんつく祭なのである。すごい発想力。
夏祭りのおめんはもっと凶暴でもっっっっと子供大号泣でめちゃおもろい(ごめん)ので、そちらもいつか紹介したいですね。

さて、地元温泉街の男たちと協力で来ているという下田の若者たちによって男根御輿は担がれる。


稲取の御輿はとにかく激しい!!
「おりゃ!おりゃ!」と叫ぶ男達。そして御輿は左右に大きく蛇行しながらグチャグチャに進んでいく。
側で見ている観客が巻き込まれそうになるくらい激しく危険で、これが他の地域の男根神輿と違うところで見応えがすごい!!元々先ほどちらっと紹介した夏祭りでも荒々しく担ぐのがここの伝統なので、それがそのまま男根神輿にも活かされているのだ。

わたしは2016年から性神の祭りを色々巡ってきたけど、実は観光型の大きな男根崇拝の祭りに足を運んだのはどんつく祭りが初めてだった。それまで男根崇拝の神社の小さな例祭などに行ったことはあっても、こういったでっかい男根御輿を担いで場が盛り上がってるような祭りはどうも苦手だったのである。正直「下品でバカっぽい」というフツ~の理由で避けてきたのであった。

だがなんとなく気が向いてふらっとどんつく祭りに行ってみた2016年、この御輿を担ぐ男たちのむちゃくちゃなパワーに圧倒された。確かに下品だし端から見たらバカっぽいけど(すまん)、その気合いだけは“ガチ”だったのだ。
ていうかそもそも神輿を担ぐ祭りってバカになるもんじゃん!?盛り上がったもん勝ちじゃん!?みたいなパリピマインドになった。どんつく、すげえ。

みんないい表情だ~~~~~

激しい御輿の巡業は一旦休憩を挟む。
休憩中は女性観光客などが御輿にまたがることができ、若い男衆がそれを盛り上げる。失われたお色気タイムの復活だぜ!!!!!

「セクシーポーズとって!」などと煽られた女性たちが親指を咥えるポーズを取るのだが、そもそもセクシーポーズってそれなのか???という疑問がすごい。世の中に存在するいろんなセクシーポーズの中で「親指咥えポーズ」が採択されるのがいかにも昭和の温泉地の祭りといった感じがする。
そしてこれこそ間違いなく「下品でバカっぽい」時間なのだが、これぞまさしくどんつくだ!!という感じでテンションがぶち上がっていく。

ちなみにわたしも初めてどんつくに参加した年に神輿に乗らせてもらったのだが、初めての男根神輿に気合いを入れて勢いよく乗りすぎたせいか、はたまたツルツルに磨かれた男根のせいか、なんとそのまま滑って神輿から落下した。周りのおじさんたちがめちゃくちゃ焦っていた。神輿から落ちたやつはかつていないらしい。担ぎ棒に引っかかって命拾いしたが、危うく「男根神輿から落下死」という前代未聞の死に方をして伝説となるところであった。



お色気タイムが終了すると男たちはふたたび御輿を担いで走り出す。数十メートルしかない温泉街の道を暴れながら行ったり来たりを繰り返していく。どんどんボルテージが上がり、最後は重い御輿をスクワットのような動きで上下に突き上げ突き下ろす!!!

当然とんでもなくツラい動きに男たちは苦悶の表情である。こんなに男らしくカッコいいのに、持ち上げてるのは男根型の御輿なのだ。滑稽なのに真剣、いやむしろ真剣だからこそ滑稽なのか……。

こうして全てを出し尽くし、御輿の練り歩きは華々しく終わりを迎えた。御輿は今後神社に安置され、神事だけを執り行うという。清々しさと寂しさの混ざった皆の顔が印象的だった…。

そして祭りのフィナーレは港に打ちあがる花火である。天狗のモニュメント越しに打ちあがる花火。
この夏最初の花火だ。抜けていく初夏の夜風を感じながらみんなで海の上に浮かぶ花火を見上げていると、まるで青春ドラマのワンシーンのように思えてきて、これ以上に夏らしい夏の始まり方ってないんじゃないかなという気持ちになってくる。まぁよく考えたら男根祭りなので、どう考えても青春ドラマではないのだが…。
それでも港町の男たちの荒削りな空気や海の匂い、夏の訪れを告げる花火は、わたしをそう錯覚させるに充分なほど情緒的だった。

こうして、昭和から平成を駆け抜けたどんつく祭りは一度幕を閉じ、令和になってまさかの復活をするという…!!
季節は初夏から初秋に変わるみたいだけど、夏の終わりのどんつくもまた暑苦しくて最高かもね!昔との違いや進化も味わってみてほしいな。ちなみに私は男根神輿を追いかけるのに必死で全然見てなかったけど、ステージでも色々な出し物が披露されているのでそちらもお見逃しなく…!(見逃した奴が言うことではない)

皆様、ぜひ今年は稲取に足を運んでみてください!!

エレクトリカル・どんつく

(2016,2017,2018年6月訪問)

参考文献:拙稿『祭りにおける性的儀礼の正当化―伊豆稲取どんつく祭りと素盞嗚神社の夏祭りを通して―』「現代民俗学研究第12号」

第54回どんつく祭

日時:2023年9月30日(土)、16:00~(イベント開始19:00、花火打ち上げ20:40)
場所:伊豆稲取温泉(下記の地図周辺)
公式HP


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