栃木の知性派秘宝館「性神の館」へ行きました。(このネーミングセンスはピカイチだと思う)
国道沿いに堂々と建つ性神の館
ここはとにかく「ウチは他の単なる秘宝館とは違うぞ!」と声高らかに宣言している。
何がどう違うのかなと期待しつつ、まずは挨拶代わりの入り口の男根。
入ると綺麗な奥さんが出迎えてくれた。
普段は館長が解説付きで案内してくれるそうだが、今日は館長がいなかったので代わりに入館料を割り引きしてくれました。
まず初めに現れる展示物は、栃木と群馬の堺にある金精峠に祀られている金精神社のレプリカ(分祠か?)である。
この金精神社は孝謙天皇の寵愛を受けたことで有名な僧・道鏡にまつわる神社だ。
日本史専攻の高校生ならみんな知っている道鏡だが、実はその巨根伝説も日本各地に伝わっているという。
ドンッ
孝謙天皇の崩御後、下野薬師寺に左遷された道鏡は群馬から栃木へと峠を越えなければならなかった。
だがその道は非常に険しかったため、道鏡は重くて邪魔な自分の男根を切り落としてしまったという。
い、潔すぎだろ・・・。
そしてその男根を切り落とした場所に金精神社が祀られることになったというのだ。
もはや自分自身で切腹して腸を敵に投げつけたという伝説を持つ戦国時代の武将・高橋紹運を彷彿とさせる格好良さを感じてしまう。(怒られそう)
日本史の先生はこの話を授業で披露すれば、生徒達は死ぬまで道鏡のことを忘れないと思いますのでオススメです。
その横に貼られていたのは、全国の男根関連の祭りをまとめた日本国地図である。
すごい、すごいよこの情報量!!!
67もの性神や男根の祭りが一覧となっている。
金山神社のかなまら祭りや田縣神社の豊年祭なんかは全国的に有名な奇祭だけど、それ以外にもこんなに男根のお祭りが全国で行われていたなんて知らなかったなあ・・・。
ちなみに実際に使われた田縣神社の男根御輿も展示されていたよ。
っていうか群馬にもオンマラ様なる祭りがあったとは初耳。なんと勉強になるのだろう。
そしてこの膨大な性神情報こそが、性神の館がそんじょそこらの秘宝館と一線を画しているという根拠なのである。
先代から集め続けているという性神に関する調査資料の数々は本当に博物館クラス!
壁一面に貼られた各地の性神祭りのパネルは情報量が多くて読み切れないほど。
本当にまとめて本として出版して欲しいくらいです。
そのあとは貴重な春画や性具の数々が展示されている。
可愛らしい春画であるが、一体どういった状況を描いたのだろうか・・・。
これは300年前の中国明代のお金で、裏面に性交の図が描かれているものだ。
そんなお金ホントに実在したのか?と思って調べてみたが、こういった古銭は絵銭と呼ばれオークションなどにも時々出品されているようである。
最後には映像ブースが設けられており、インドの世界遺産であるカジュラホ寺院群の彫刻について学ぶことができます。
まさにインド人もビックリと言いたくなるアクロバティックな体位である。
カジュラホ寺院群の壁にはこの官能的な彫刻がびっしりと刻まれているのだが、これはヒンドゥー教では男女の性愛“カーマ”を追求し極めることで初めて解脱することができると考えられていることによるらしい。
古代インドには「カーマスートラ」という性愛指南書も存在することは有名ですね。
チベット仏教でも男女の交合により悟りの道が開かれると考えられているし、これはかなり普遍的なテーマなんだなあ~。
いやはや、本当に何から何まで勉強になった。
全国の性神の祭りの情報はあまりに多くて見きれなかったので、また是非勉強しに訪れたいと思います。
(2013年9月)
[性神の館]
珍度:90%
オススメ度:100%
公式サイト
閉館したそうです。
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