1962年に閉山された尾小屋鉱山へ。
尾小屋鉱山は、古くは1682年から金山としての採掘が進み、明治初期からは銅山として繁栄した鉱山である。
現在その採掘跡が開放されているというので、「穴があったら入りたい」穴マニアのわたくし、嬉々として向かいました。
採掘跡へ行く前に、まずは資料館で尾小屋鉱山について学ぶ。
写真だとかなり分かりにくいが、これは尾小屋鉱山の坑道を立体模型にしたものである。
まるで東京の路線図のように複雑に張り巡らされ、坑道の総延長は160km、最下部の深さは700mにも及ぶという。人力でここまで掘るなんて、今も昔も職人はすごい。
なんとこれは現場で使われていた昭和の携帯電話!昭和に既にケータイはあったのか。知らなかった。
様々な道具を見たあと、メインである坑道跡へ向かう。
尾小屋マインロードと名付けられた坑道跡。中は案の定寒い。
中では鉱山跡といえばお馴染み、人形による作業風景の再現が行われている。
江戸~明治初期頃と思われる、水出し作業の風景。うしろの人の姿が消えかかっているよ・・・。
鉱山を採掘するときは、採掘に伴って出てきてしまう大量の地下水を外に排出しなければならない。
抗夫達にとってそれは実に骨の折れる作業であったと言うが、この箱樋が登場してポンプ式に水を汲み出せるようになってからは劇的に楽になったそうだ。
とはいえこの箱樋、わたしもマイントピア別子で水の汲み出しに挑戦してみたことがあるのだが、めっちゃくちゃ疲れる。ポンプを押すのに大変な力が必要だし、ずっとそれをやり続けなければいけないし、全然楽じゃない。いやー、返す返すも職人はすごい。
尾小屋鉱山の坑道は横に延びているだけではない。左右上下縦横無尽に延びている。
時には足場を組んで高いところの鉱脈を採掘することもあり、その足場の支柱が今も残っている。
こんな高いところまで!!
そしてこちらがその作業風景を再現したものだ。
当たり前だけど、当時の掘削は手掘り。こんな高いところに上りながら手で岩肌を削っていくなんて、どんなに大変な作業か想像も付かない。
いやはやすごいなあ…と感心しつつ坑道の奥へ歩を進めると、
ん????
…突然のシャボン玉…!!
しゃぼんの風穴である。
洞窟の壁面から虹色に美しく輝くシャボン玉がほのかに吹きあがり、幻想的でメルヘンチックな雰囲気が味わえる。
いやメルヘン要素、いる??
そしてその先には輝く古代生物の化石(を模した蛍光塗料)まで…!
アンモナイト!
プテラノドン(?)!!
ココハ、ドコ、、、、ワタシ、ナニシテル、、、、??
思わずそんな気持ちになってしまう空間。
実は尾小屋鉱山は古代の地層であり、数多くの古代生物の化石が発見されているのです
とかいうことでは全くございません。
急に夢みたいな空間のオンパレードだ。先ほどまで職人の技に感心していたのもまた夢のようである。
尾小屋鉱山の振り幅に、あなたはついてこられるか?
夢の空間を通り過ぎると、再び抗夫たちの働く姿が現れる。
坑夫に混ざれる激アツスポット!!
メルヘン&ファンタジーを挟んで、時代は近代へ。
手掘りから機械を使った採掘へ代わり、作業効率はかなり良くなったことだろう。
見張り場では出退勤カードを提出する仕組みも出来、すっかり企業として成立しているようだ。
鉱山の移り変わりを見終えて外へ出る。
江戸時代の鉱山の様子から始まり、近代の鉱山の様子で締めているあたり、まるで普通の鉱山遺構の展示である。
だがその途中であのメルヘンな空間が広がっていることは公式HPにも書かれていない。あの空間は、まさしく夢なのだ。
尾小屋鉱山は鉱山の過去と夢を教えてくれる、ファンタジー施設であった。
~完~
[尾小屋鉱山資料館&マインロード]
珍度:80%
オススメ度:80%
公式HP
休館日:水曜日、祝日の翌日、12月1日~翌年3月24日(冬期休館)
開館時間:9:00-17:00
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