沖縄珍スポツアー2013最後の地は、鍾乳洞ツアー「ガンガラーの谷」でございます。
左右に断崖が切り立つガンガラーの谷
「ガンガラーの谷」は2008年に公開されたばかりの比較的新しい観光スポットで、鍾乳洞が崩落してできた大きな谷である。
実はこのガンガラーの谷にある鍾乳洞の一つが、ガンガラーの谷として公開される以前から一部で有名だったのです。
その鍾乳洞の名は珍珍洞。
こんなに判りやすい名前がかつてあっただろうか、いやない。
まあ皆さんなんとなくお察しの通り、ここは男根石がある鍾乳洞としてちょっと有名だったのである。
そして今回私がガンガラーの谷を訪れた目的も勿論この珍珍洞。
実は昔からここへ行きたいと思っていたのだが、知らぬ間にガンガラーの谷なる一流観光地へと姿を変えていて驚いたのであった。
現在はただの珍珍洞だった頃はなかったガイドさん付きのツアーが組まれ、珍珍洞を含むガンガラーの谷を1時間20分かけて巡ることができます。
ガイドのお姉さんに連れられて踏み込んだガンガラーの谷はこんな感じの熱帯雨林。
ちなみに出発前に虫除けジェルを貸して貰えるよ!^^
まずは(私の)メインである珍珍洞ではなくその手前にあるイナグ洞という洞窟を目指す。
このイナグ洞のイナグとは沖縄言葉うちなーぐちで「女性」という意味であり、以前ここはこれまた露骨な「満満洞」という名前で親しまれていた洞窟なのである。
ちなみに珍珍洞のほうは、うちなーぐちで男性を意味する「イキガ洞」という名前に現在変更されている。
確かにガイドのお姉さんが「コチラが珍珍洞です」とか言うのはちょっとマズイかも知れないけど、イナグ洞とイキガ洞って名前はなんだか全く親しみが持てないぞ!
ということでこの記事ではなじみ深い「珍珍洞」「満満洞」の呼称で貫かせていただきたい所存である。
その満満洞にまず到着するも、この洞窟は縦穴で中の崩落などもあるため危険らしく、中に入ることは出来ない。
ちなみに「母神」の看板はここのスタッフではなく地元の人が勝手に立てていったものらしい。それを撤去しないのおもろいな
入れない代わりにガイドのお姉さんが中の写真を見せてくれた。
写真が見えづらいんだけど、乳房と尻に見える形の石があるから満満洞らしい。男根石と対になっているのは大抵女陰石だけど、胸と尻とはちょっと変わってるなあ
その後、目的の珍珍洞へ。
珍珍洞は川が流れる大きな洞窟である。
洞窟内は暗いのでカンテラを持って進んでいくことに。
すると洞窟の一番奥に、予想以上の迫力の男根石が現れた!
我ながらとても嬉しそうである(笑)
「これで今日の目的は達成できた」と言っていたら、ガイドのお姉さんに驚かれた。
なんでも、多くの人が一番楽しみにしているのはツアー後半のガジュマルの木であるらしい。
ということで珍珍洞を訪問するという目的は達成したが、残りのツアーの紹介もしたい。
岩が崩落してできた隙間を通り抜けていくと、人気No.1の巨大ガジュマルの木が登場する。
今まで知らなかったのだが、ガジュマルの木から垂れているのは枝ではなく根っこなのだそうだ。
上から根を垂らしていき、その根が地上に着くと新しくそこに根を張り、もともと生えていた根は枯れていくらしい。だから「歩く木」と呼ばれているんだって。
そのあとはこんなお墓の横を通り過ぎた。
これは遺跡でも何でもなく近代のお墓で、ガンガラーの谷が観光地として整備される前からあったものらしい。
既にお骨などは移動されているものの、清明(シーミー)という沖縄のお盆のような行事の時には親族がここに集まり宴会を開くそうだ。ツアー客はその横を通り過ぎていくのだというから面白い。
ちなみに清明は沖縄の伝統行事としてとても重要なものであるため、墓前が宴会出来る広さであるということが墓を買うときのポイントなのだとガイドのお姉さんが教えてくれた。
そして最後の目的地である武芸洞という洞窟へ到着。
正直わたしの目的であった珍珍洞も、みんなが大好きなガジュマルも、全てはこの武芸洞の前座であるといっても過言ではない。
実は2008年の発掘調査により、この武芸洞から2500年前の縄文時代の石棺墓と埋葬された人骨が発掘されているのである。
現在は石棺墓の跡のみ見学することが可能。
人骨は沖縄県立博物館で展示されているそうで、墓の中には人骨の上に乗っていたというシャコ貝のみが再現されている。
この遺体にシャコ貝を乗せるというのは沖縄に於ける埋葬時の習俗であり、シャコ貝に魔よけの力があると考えられていたということは読谷村立歴史民俗資料館で既に学んでいた^^
そもそもこの武芸洞が何故発掘調査の対象になったかというと、ここから程近い採石場で1万8000年前の旧石器時代に生きていた「港川人」の骨が発掘されたことによるという。
この港川人が発見されたのはフィッシャーという岩の割れ目であり、発見地が彼らの生活場所であったとは考えにくいそうだ。
そこで港川人の生活の場所を探すという調査目的の元、この武芸洞での調査が始まった。
現在武芸洞で発掘されたのは港川人とは異なる時代の人骨であるが、まだ始まったばかりの調査であるから今後の発展に大いに期待したい。
また、ツアーの集合場所はケイブカフェと呼ばれる洞窟内に作られたカフェだったのだが、そこでも現在進行形で発掘調査が進められているらしい。
観光地としてしっかり機能しながらもその傍らで発掘調査が行われているというのは面白いなあと感心した。
珍珍洞目当てで訪れたガンガラーの谷は思っていた以上に見所が多く、学ぶ場としても素晴らしいものであった。
何よりガイドのお姉さんのお話が非常に上手で、リアルジャングルクルーズといった感じでした。
港川人も昔歴史の授業で名前を覚えた程度の知識だったのだが、ガンガラーの谷を訪れたことで身近な存在になったような気がする。
発掘の進捗を見守りつつ、時々行われているという発掘調査見学ツアーにもタイミングがあれば足を運びたいなあと思います。
そして、これにて沖縄珍スポツアー2013はおしまい!
今まで知らなかった沖縄の側面を知ることが出来、非常に有意義な4日間であった。
ありがとう、沖縄!
(2013年9月)
[ガンガラーの谷(珍珍洞)]
珍度:70%
オススメ度:90%
公式サイト
住所:沖縄県南城市玉城字前川202番地
ツアー料金:2000円
ツアー出発時刻:10:00/12:00/14:00/16:00
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