大量の蛇を見てきました。
珍スポットというのは、往々にして身近にあると気がつかないものである。
わたしが生まれ育った群馬県高崎市でもっとも有名な珍スポットといえば洞窟観音だが、あまりに身近な存在すぎて珍スポ関連書籍やHPに掲載されているのを見るまで珍スポットだと思ったことはなかった。日頃他県まで珍スポットを追いかけているくせに、いざ身近にあると感覚が麻痺するものなのだ。
そして今回ご紹介するジャパンスネークセンターもそのひとつである。
以前紹介した三日月村の目と鼻の先にある群馬スネークセンターは、超A級のB級スポットとして名高い。
珍スポット好きがこぞって訪れているのを知ってから早数年、改めて訪問しなければ…と思いつつも身近なものほど行く機会がないもので、なかなか足を運ぶ気にならなかった。
だが先月、ネット上でこんな告知を目にしたのである。
ジャパンスネークセンターHPより
スネークセンターで「白蛇観音供養祭」なる祭りが行われると言う。
「犠牲となった蛇や実験動物などの供養の他にさまざまなイベントも行われますので、是非ご参加ください。」とのこと。
当日は様々なイベントが行われるようだが、目玉はコチラ。
マムシ酒を作るための「マムシ大量水洗い」である。
犠牲になった蛇を供養した側からマムシ酒を作るというカオス。
供養しながら供養すべき命を殺す…矛盾を感じなくないが、なんとこのマムシ大量水洗いは十数年ぶりに行われるレアイベントだというではないか!!
スネークセンターに行くなら今日しかない!ということで足を運んだ。
スネークセンターの中は信じられないほどオンボロである。2015年になった今足を運ぶと感慨深い。完全に昭和で時が止まっている。
到着したのはまさにマムシ水洗いが始まらんとしている時間で、マムシプールの前は既にたくさんの人でごった返していた。マムシ正面席はもう確保できず、なんとか人の頭の隙間からマムシを待つ。
飼育員の皆さんが容器に入ったマムシをプールの側へ持ってきて、おもむろにプールの中へマムシをぶちまけた。
う、うわあ
気持ち悪い。
マムシというものをよく把握しておらず、思っていたよりも小さかったので一瞬「おや、意外と可愛いな?」と思ったが、あっという間にプールを埋め尽くすウニョウニョ蠢くマムシ軍団はただただ気持ち悪かった。
そして何よりクセェ。とにかくクセェ。
ペットショップの爬虫類売場の臭いを濃くして固めて腐らせたような臭いである。マムシってこんな臭いなのか、、、。
今回用意されたのは1000匹の中国マムシだったが、昔はもっと大量のマムシを大きなプールで洗ったのだという。マムシ業界も不況?なのか?
お客さんのほとんどは興味本位の人たちだったが、中には一眼レフを構えたガチの蛇マニアのおじさんもいた。彼らにとっては垂涎もののイベントなのだろう。
こんなに気持ち悪いのに…。
次のイベント「コブラの毒吹き実験」の前に園内を見て回る。
オソロシイ毒蛇温室へ。
その名の通り、ここには毒蛇がたくさん展示されている。
意外と地味なガラガラヘビ。
ちなみに、わたしは蛇が好きではない。昔は厨二病だったので飼いたいくらい好きだったのだが、歳と共に興味がなくなり、むしろ嫌いになってきた。
なので撮影にも身が入らなかったのか、派手な毒蛇はたくさんいたのにコイツしか撮っていない。体が太いのとか柄が派手なのとか、マジでご勘弁である。
突然のワニの説明。
「同じは虫類でもワニとヘビではその顔つきは非常に違います。ヘビの方がその色もカラフルで、かわいい顔やひょうきんな顔、こわい顔などいろいろあります。」
突如として始まるワニへのディスり…!!
ヘビ派とワニ派はイヌ派ネコ派的な感じで対立関係にあるのだろうか??どっちもどっちだと思いますが。
そうこうしているうちに「コブラの毒吹き実験」イベントの時間になったのでコブラ部屋へ向かう。
このイベントではガラスの向こうにいるコブラが客の顔面に向かって毒を吐いてくれるという(おそらく)貴重な体験ができる。
コブラは敵の顔面を認識し、そこへ毒を吐きかけるという習性があるらしい。
コブラに毒を吐いてもらおうと、必死に顔をガラスに向かって突き出す人々。
わたしも挑戦してみたが、完全にコブラにスルーされてしまった。
何故だろう…少し、寂しい……。
実験終了後、質問受付タイムが始まる。
研究員の方が今まさにコブラが毒を吐いていた部屋の窓を開けて質問受付を開始したのだが、
ク、クセエエ!!!
さっきのハブとは比べものにならない悪臭だ!!!!
完全にもよおしかけるレベルの臭いだったので、すぐその場から逃げた。
毒の臭いなのかなんなのか…あの実験してる人、鼻壊れてないのかな???
コブラ部屋から出て、資料館を見る。
ここにはホルマリン漬けの蛇などが展示されている。
ギュウギュウの蛇。
蛇の生殖器を初めて見た。かなり奇妙だ。
左右二本あり、普段は尻尾の中にしまっているらしい…。
あまりにシュールすぎる蛇民芸品コーナー。
やっぱりツチノコも蛇好きの守備範囲内なんだな。
ふと床を見ると、とぐろを巻いた蛇が。
シュールすぎる………
お客さんのおばちゃんが「オェェ、気持ち悪い」と言いながら資料館を退出していった。客のほとんどがそんな感じで、みんな自分の意志で来たはずなのに始終嫌々だったのが笑えた。
次は熱帯温室へ向かう。
スネークセンター内には「押収ヘビ」という、事件などで押収されたヘビがたくさん展示されている。
飼い主に噛みついたグリーンマンバという蛇。色は綺麗だが、猛毒らしい。
ここの二階がサイコーだった。
突然の白亜紀である。
蛇と関係ない古代地球を模した展示ブースに、古代生物が整然と並べられている。こんなわけわからん生き物たちが綺麗に陳列されてる光景、見たことないわ。
そうこうしているうちに本日のラストイベント「シマヘビと遊ぼう」の時間が来たのでシマヘビと遊びに行く。
飼育員の人が客にシマヘビを手渡していくのだが、シマヘビをもらうために人々が一列に並んでる様はなんとも妙だ。
正直わたしは全然シマヘビと遊びたくなかったのだが、折角来たのだから…という気持ちで列に並んでしまった。
信じられないほど盛況していたのでもしかしてシマヘビ足りなくてわたしのところまで残ってないのでは?と期待したのだけど、残念ながら尋常ならざる量のシマヘビが用意されていたらしくシマヘビは無事手元に…。
完全に後込みしているわたし。
想像以上に動く~~~気持ち悪い~~~~~
ヒョエエエ~~~
などと大騒ぎしながら蛇を持て余していたのだが、五分も持っているとだんだん慣れてきて少し可愛く感じてきたから慣れって怖い。
すっかり慣れた様子。
シマヘビと遊んだあとは、しっかり手を洗って帰った。今度は手を洗う人の列が洗面所にできていた。
まあシマヘビは少し可愛かったけど、やっぱりマムシや毒蛇は気持ち悪かったな。マムシ大量水洗いは蛇嫌いを助長させる素晴らしいイベントであった。
あ、園内には蛇料理レストランもあるので、ゲテモノ好きの方は是非どうぞ。
[ジャパンスネークセンター]
珍度:80%
オススメ度:70%
公式HP
住所:群馬県太田市藪塚町3318
開園時間:3-10月 9:00-17:00/11-2月 9:00-16:30
休園日:金曜日
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